脳の中の疾病に気づいたのはもう25年前の話。
医師に病名を告げられたのはおよそ2年前で、
それからまる2年間治療を続けてきた。
それももうまもなく終了。
「いよいよ卒業」という医師の言葉とともに、
みょうな現実感に襲われるようになった。
追体験・既視感でもない
自分が自分でないような離脱感もない
かといってリアリティが鋭敏になるわけでもない
至って普通の現実なのだが
その現実の“感覚”を新鮮に思えるのだ。
すべてのアクが抜けたような。
脳の中の勝手口がスムーズに開くようになってからというもの
夢がとてもリアルになった
これは言葉のとおり夢とは思えないほどの緊迫した現実感だ。
すべての登場人物は、これまで会った人たち。
それもとても大切だと思っている人たちだ。
夢は現実離れしている。
ブレードランナーばりの世界でともに逃亡を続ける夢や
先週通ったばかりのオフィスビルの一角で恋に落ちる夢
どれも白熱した描写と、生命力のあふれる空気に満ちあふれている。
僕は汗をほとばしるように叫びながら、とても満足してその世界を堪能している。
目が覚めてもその夢を堪能しようとする自分がいる。
夢の脳波は現実の世界でも同じリズムを保っている。
もしかするとこれが真の自分なのかもしれない
いや、そうでなかったとしても、これからリアルにしてみたいと思いたい。



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