自民党の青少年特別委員会が、18歳未満を対象に出会い系サイトなど有害な情報の規制を強化する法案を議員立法を目指しているが、マイクロソフト、ヤフー、楽天、ディー・エヌ・エー、ネットスターの5社がそれに反対した。
ブログをかかれている人の中には、「法案をしらみつぶしにしてる人や」、「とにかくネットを批判するのは文化を批判することだ」みたいな極論にまで持っていって大騒ぎしている人もいる。
法案などというのは、つっこみどころ満載なのが常なので、声高に大騒ぎはしたくない。そこで、小学1年生になった子供たちと共にこの問題について考えてみようと思う。まずは、もっとも的確にわかりやすい言葉で指摘しているマーケターの大西さんのこの言葉を取り上げたい。
子供の保護という誰も反対しない理由によって、インターネットというメディアに絞った規制の網をかけようという点です
すべての問題はここにある。
ネット業界にいると「ネットに規制を掛ける」ことばかり目くじらを立ててしまいがちだが、実はもう一つ「子供の保護」の方も早急に対応が必要でかつ重要な問題だということを念頭に置いていただきたい。
親しか守れない
まず、フィルタリングの話をしよう。すでに警察などでも推進している携帯のフィルタリング機能だが、果たして今まで有効なフィルターがあっただろうか? 某セキュリティソフトのフィルターは知人のECを「悪質」に評価していたし、これまでも不適切なフィルターはたくさん存在した。また、映倫に限らずその審査方法はひどく短絡的だったり、ベールに覆われていたりする。これに政府がからんでしまっては、とんでもないことが起こるのは、必至だ。
しかし、小学校一年生の言葉はこうだ。
「お父さん、あのとき怖い写真出てきたでしょ。僕、あんなの見るの嫌だよ。出てこないようにして」
これは保護者としてもっとも大きな課題だった。筆者は、小学校にあがるまえに「Edubuntu」のマシンを与えた(中古+自作=予算1.5万円)すでに、キータイプを覚え、Yahoo!キッズ、Gooキッズなどで検索して自習したりしている。ただ、ある日、Firefoxの検索フィールドを誤って使ってしまい、刺激的な画像がでてしまったのだ。それいこう、その機能をOFFにした。
しかし、今後「必要なサイトだけ見られる仕組みにできないか」と考えてはみ手が、この自宅での規制はいつまで持つか不安だらけだ。
だから、ネット5社が「最終決定権は保護者にある」としているが、反対である。ましてや、知識の無い家庭ができるはずもない。しかし、彼らが提示した「こどもを守るという視点の重要性」は的をえている。この考えをもって、代案を出すのが、もっとも適切だと感じた。
ここで問題となるのは、「いつまでも待っていられないほど、目の前には危機にさらされている子供たちがいるということである」。危険でも筆者の息子にはUbuntuを取り上げることはないだろう。それをどうにかするのが親の役目であり、教育ってものだからだ。筆者は、子供が大きくなるのを機に、仕事を自宅オフィス中心にシフトし、子供の机をオフィス内に設置した。それでできる限り守ろうとしている。
このような筆者のことを「特別だ」などと思わないで欲しい。そうしないと守れない時代にきているのだ。
何から守るか
次の問題は、「何から守るか」と言う問題である。これは、今回の問題の焦点ともいうべきポイントである。
昨日、授業参観があったのだが、愚息は母方の祖母からもらったという「ドクロマーク」のTシャツをきていたので、驚いた。かわいいドクロではない。大人が見てもびっくりするような絵と殺伐としたアルファベットがかかれていた。愚息は柄をよく見ないで、黒いTシャツとして選んだようだが、あとから絵柄をみてショックを受けていた。小学校一年の彼はこう言っていた。
ばあばにもらったものだから、いいとおもってたよ。けど、よくみたら、こわいからもう着られない
このように、身内であっても、何が問題化基準があいまいだ。私の懸念は、他の読者にとっては大したことでは無いかもしれない。そこで、小学一年生につっこんできいてみた。
M:じゃあさ、どんなTシャツだったらいい?クレヨンしんちゃんのケツでもいい?
子:やだー!w エナジーボールでやっつけてるとこならいいよ。
M:やっつけるって何を?
子:悪い怪物
M:怪物って?
子:人のものを取ったりする人とか、強い怪物
M:お役所の人はなんやかんやいって、人のものを取ったりするけど・・・
子:お役所って、あのすごいビルの人?
M:あー、まあ、それはいいや。けど、そういう人とか怪物はやっつけてもいいの?
子:いいんだよ、悪いんだもの
M:けど、そういう人にも怪物にも赤ちゃんがいると思うよ
子:じゃあ、やさしくしてあげないと、赤ちゃんないちゃうね
M:やっつけるってことも、いいことともいえないのかもしれないね
子:うーん(知恵熱放出)
何が悪いか、社会全体はもちろん、保護者の中でもゆらいでいる中で、法案にするということのおろかさを分かっていただけただろうか。ただし、「表現の自由」とは諸刃の剣で、一歩間違えば暴力になることを忘れてはいけない。表現の自由を守ることで、悪質なコンテンツベンダーがのさぼる現実を許すような論調を生んでは、決してはならないのだ。
環境作りが急務
また、「保護者が安全な環境や利用の確保」には、心から賛同する。IT業界にどっぷりつかっているひとには見えにくいが、大半の人は知識無く使っている。もう一度ITを学び、リスクを回避する知識を得ながら、家庭ひいては地域コミュニティと守ることが大切だと思う。
余談だが、筆者の事務所のある栃木県宇都宮市の小学校登校風景は、決していいものではない。侵入禁止の道路に栃木県の役人らしきドライバーが平気で入ってくるし、歩いている大人は子供の列にまぎれたばこをふかし、誰一人挨拶をしない。今回の問題は、そういうレベルの問題でもあると感じる。仮にネットがなくなっても、同じ問題が起こるのは必至なのだ。
総合的に見ると5社の提案は、賛同に値するべきものだと思う。しかし、先ほども述べたが「現状は、かなり深刻な状態にあり、すぐに手を打たなければ犠牲者が増えるのは目に見えている」のである。あーだー、こーだ、問題を分析して批判する人はそれはそれでいいが、大半が、毎日子供たちがトラブルにまきこまれてもダンマリをしているというのは嘆かわしい。
最後に、小学一年生がネットへの期待について語ったので掲載しておく。
子:ダダ、あのお兄さんとまた画面で話せる?
M:うん、話せるよ。けどね、アメリカとは時差があるから、時間を合わせないとね。
子:時差?
M:(地球儀を広げ)ここが太陽でしょ、地球は回っているから、今日本が夕方でも、あっちは夜中で、お兄さんは寝ているんだ
子:そっかー。じゃあ、世界の別の場所の子と友達になりたいなあ。
M:うん、マレーシアの人にメールしてみよう。
子:僕、世界の人たちの中で有名になれるかな。
M:夢を持って、毎日一歩一歩努力すればなれるんじゃない?
子:ウェブサイトで見た子は有名だったけど、爆弾持っているひとのせいで大会中止になっちゃったね。ざんねんだね。
(ポケモンの国際大会が、「爆破する」という脅しで中止となった事件をうけて)
M:本当だね。努力しても、ああいうことをする人がいると、台無しだね。
子:怖い人がいっぱいいるのかな。
M:いるかもしれない。けど、みんな誰かの子で、もしかすると赤ちゃんを持っている人かもしれないよ。
子:どうして、怖いことするんだろうね。
M:そうだね。やめてほしいよね。その前に、そういう人が何を考えているか聞いてみたいね。
子:みんなで、やさしくしてあげたり、遊んであげれば、悪い気持ちはなくなると思うよ。
・japan.internet.com Webビジネス – IT 事業者5社、青少年インターネット規制法案に対する取組みを発表
・ネット規制:自民法案、5社が反対 有害情報「自主対応する」 ? 毎日jp(毎日新聞)



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