元アップルの開発部門責任者ジャン・ルイ・ガセーが、独自の発想のパソコンを作ろうと「Be, Inc.」[L]なる会社を米カリフォルニア州シリコンバレーに設立したのは1990年。MacOS、UNIX、AmigaOSの影響を受けたBeOSは、独自のGUIインターフェイスとUNIXライクなCUIを搭載し、64ビットのファイルシステムを搭載、さらにマルチプロセッサに対応するなどマルチメディアマシンとして脚光を浴びていた。1995年頃PowerPC版発表の時には、デュアルプロセッサを搭載した青い筐体「BeBox」で、音声や映像に特化したアプリケーションを多数搭載し、現在のアップルが得意とするプロフェッショナル向け市場をターゲットにしていた。結局、Be,Inc.はアップルに身売りを提案するも成立せず、アップルはNeXTを採用し現在のMac OS Xの系譜をたどることになる。一体、ジャン・ルイ・ガセーは何を目指したのか、(筆者を含め)BeOSの興奮は何だったのか、永遠の謎は現在も「Haiku Project」として引き継がれるBeOSにふれることで垣間見ることができるかもしれない。
「Haiku Project」は、Be,Inc.解散後に当時OpenBeOSという名称でオープンソース版のBeOSを開発することを目的としてスタートしたコミュニティで、BeOSと互換性を持つリリース1.0を達成後、デスクトップOSとして開発が進められている。なお、日本では、「JPBE.net(日本 BeOS ネットワーク)というグループがあり、ユーザや開発者が情報交換やシステム・アプリケーションの普及やプロジェクトの促進などの活動を行っている。
デスクトップOSとしては、最近より安定したUbuntuが8.04をリリースするなど注目を浴びているが、KDEやGNOMEライクなGUIの雰囲気はぬぐえず、Haikuが提供するいわゆる「Be然」としたGUIは逆に新鮮みすらある。

Haikuは、x86とPowerPCに対応。ちょっと初めてみたいと思った人は、JPBE.netにあるライブCDのイメージをダウンロードしてCD-Rに焼いてチャレンジしてみるのが手軽だ。または、VMware向けのHaiku仮想OSファイルが提供されているので、VMware Playerを入手するのもいい。
筆者は、BeBoxオーナーだったので、実に懐かしくHaikuとなったBeOSを楽しんで使っている。今のところVMware上だが、emacsかもしくはそれに相当するエディタが見つかったらUbuntuから乗り換えてもいいかなとすら思っている。お試し版のBeOSにはアプリケーションがほとんど入っていないが、「BeBits」というソフトウェアディレクトリには実にたくさんのパッケージあるので、あれこれ選んで自分なりの環境作りを楽しんでみるのもいいだろう。もしかしたら、BeOSの夢が、再び万人の人々の前によみがえるかもしれない。
::: はみだしコメント
筆者は現在、原稿執筆からスケジュール管理、アイディア管理、メール、2chなどなど、ほとんどの作業をemacsでやっている(2.3のClearTypeで美しく)。そうなると、OS選びは難しい問題ではなくなる(動きさえすれば)。マシンも、新しいものには目もくれず(今とっても貧乏だし)だから、それほど問題ではない。新しくて無駄に速いマシンより、フィロソフィーのある環境の浸っていたいと思うのだ。



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