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2003年10月20日

小さな穴

 18日は食欲不振で元気がない犬の手術をしていました。手術前には様々な検査を行ったのですが原因がはっきりしないため、飼い主さんと相談の上“試験開腹”という形で手術に踏み切りました。超音波検査では“胆嚢炎があるかな?”と思っていたのですが実際に見てみるとそれほどはひどくありませんでした。何かほかの原因があるのではとほかの臓器を探ってみると、子宮に“小さな穴”がありそこから子宮内の分泌物がお腹のなかに漏れて腹膜炎を起こし始めていたのでした。卵巣と子宮を切除してお腹のなかをよく洗浄して手術は無事終えることができました。
 腹膜炎なら血液検査やレントゲン検査、子宮内膜症も超音波検査で事前にわかるものなのですが、今回は変化が見られず開腹してはじめてわかった症例でした。様々な検査は私たちにたくさんのデーターを与えてくれますが、実際眼で見るものにはかなわないものだということを実感した症例でした。

Posted by nomata at 12:18 | コメント (0) | トラックバック (0)
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